ある利用者の思い出から・・・
今週もはじまりました。
今日はお一人の方が体調不良でお休みでしたが、他の皆様は出席されました。
ミーティングの時、Hさんが「○○は、特殊学級にいたから、給料少なくていいんだ」と言われた過去を教えてくれました。
そこから、皆さんの語りが始まりました。皆さん、いじめられたり、怒られてばかりだったり、つらくて辛くてどうしようもなくて仕事をやめたり、続けたいと思っていても辞めさせられたり、いろいろとご自分の過去を語りだしました。
また、ある人にとって過去の嫌な出来事は「恐怖」とつながるようで、Yさんは、車との事故で自分の体が宙を舞い、地面にたたきつけられたことを思い出して、話してくださいました。(なるほど~、恐怖につながるのね~。)
Mくんは、仕事中に何度も怒鳴られたことを思い出して話してくれました。
いつも「お前は物覚えが悪い、いつも間違っているだろ!」と怒鳴られていたそうです。初めは黙って聞いていたけど、だんだんイライラして「ちゃんと教えられていないのに、わかるわけがない!」と反発したそうです。(それは当然ですね)
Sさんは、とても気にしていた容姿のことを話しのネタにされて、傷ついた思い出を語ってくださいました。また自分の悪口を言っていた人は、「あいつはでかい面してうんぬんかんぬん」といつも馬鹿にしてきたそうです。そこは居心地が悪くて、やめてしまった、と寂しそうに話します。
同時に、自分の失敗も思い出して、そして会社を辞めざるを得なかったことを話してくれました。
それでも、「生活があるから働かなきゃならなくて(嫌だったけど)何度も仕事を変えてきました」と言います。
ここまで午前中のミーティングでした。
「午前中のミーティングの続きを話したい」と利用者からあり、内職作業後ミーティングしました。
午前中のミーティングの内容を膨らませて「人間関係について」皆さんに話していただきました。
皆さんは「親近感を持って人と話せない」「うまく人と付き合えない」「一人のほうが過ごしやすい」「穏やかに過ごしたい」「思うことが言えない」「何を話したらよいかわからない」「人の話が理解できない」など、いつも生活の中で苦しさ、難しさを感じて生きていることを教えてくれました。
では、どうしたら自分が過ごしやすい環境になるでしょうか。
「怒られない環境にいたい」「ストレスのない生活が良い」「思うことを言える環境」「自分の話を理解してほしい」「ほかの人のことを理解したい」と、それぞれの思いが話されました。
でも、やっぱり一人が良かったり、人と話せなかったり人の言葉や態度が分からない、理解されない、という思いがあるから、なかなか前に進めない苦労が語られました。
事業所の標語の一つ「安心してさぼれる職場作り」を話し合いました。皆さん、これってどう思います?
え、さぼっていいの?でも、いのちの木では「安心してさぼれる職場作り」と前から言っているけど・・・。
さぼってはだめですか?という問いに、
「お金をもらうからさぼってはだめ」「他の会社に移った時に、くせになると困る」「今後の就職のためにもさのってはだめ」「利益を上げるためにさぼってはだめ」「さらに先の目的のためにさぼらない」「もう少し上の段階に行くために、さぼらない」ということを皆さんは次々と上げてくれました。
では、皆さんはこれまで働いてきたところで、どうして続けてくることができなかったのでしょうか。さぼらないように頑張ってきたけど、そこはつらくはなかったですか?
「続きませんでした。」「怒られていました」「受け入れられませんでした」「つらかったです」
私たちは、一つのことを確認しました。
「私たちは障がい者です。」
いのちの木に来れる人たちは「障がい者」である皆さんと、それから、皆さんと一緒に過ごしたい人たちだけです。だから、「安心してさぼれる職場作り」が必要です。
今日は長くなったから、これで終わりにしますが、また、一緒に話をしましょう。どんな作業所が「安心してさぼれる職場づくり」かを、一緒に考えましょう。