雨降りの金曜日
今日は一日ぐずついた天気で、朝から黒い雲が立ち込めていました。くらーーーい一日でしたね(ちょっと青空は見えていた、かも)。
でも今日も皆さんは集まって作業をしていました。
さて、もうすぐ作業が終わる時間、Gさんは大好きなTさんに向かって
「あのー、あの人の名前、しりませんか?」(ニヤニヤ)
と言いました。
Gさんのクセは、気に入っている人に、自分が気になることを何度でも、何度でも、繰り返し聞いてしまう、というものです。
聞かれたTさんは、同じことを何度も聞かれてうんざり!!今日はすぐに怒り出しました。
「ちょっと、いいかげんにしてよ。もう僕はそれが嫌なんだよ!わからないのか!!」
Gさんは「キョトン」としています。
Tさんさんは作業どころではなくなってしまいました。
そこで、ミーティングです。
まずTさんはわたしに文句を言いに来ました。もちろんそんなことではTさんは腹の虫、いや、頭の中のイライラが収まりません。
「もう僕ばっかり話したって、何にもならない。Gさんを呼んでください!」
「では、自分で呼んできてください。」←これも大事なことです。
自分の問題の対象者は職員ではなくGさんですから、話したいときは自分から話に行くことも大事。
今度はTさん、Gさんとそろってミーティングです。
Tさんも、Gさんも、なぜか話をするときには、わたしに話をしてきます。
「いやいやお二人さん。話し合いはわたしではなく、自分たちで顔を見て話しをしましょうね。
では、TさんはGさんに直接言いたいことを言いましょう。」
Tさんは一生懸命訴えます。何度も同じ話をするのはやめてくれ、もう聞きたくない、それによって自分は夜眠られなくなるんだ、事業所にも来たくなくなるんだ、だからやめてくれ etc・・・。
でも、Gさんはきょとんのまま。わたしがTさんの言っていることをゆっくりと、短くして伝えます。
そしてようやくGさんもわかり始めてきました。自分が何を失敗しているか、を。
さらには、Tさんが悩むほどに、Gさんは話をしていないこと。Gさんは単にTさんが好きだから、一緒に話をしたいだけで、何か会話のきっかけをつくろうとして、ついいつも同じ話をしてしまうことを、Tさんに伝えました。
「え?!そうなの?Gくんはそんなに何も考えてないの?」Tさん、びっくり仰天。
そのあとは、Tさん、Gさんの二人で話をしだしました。一方的にTさんが質問して、Gさんはニヤニヤしながら返事をするだけ、ですけど。
面白いのは、Tさんはだんだん怒りが収まってきて、まったく関係のないこと(服装や趣味など)を聞いているし、GさんはTさんとの対話の時間が持てて、とてもうれしそうにしているんです。
そして繰り返し「もう、おんなじことを聞いちゃ、だめなんですか?」とわたしに何度も聞いていました。
Gさん、やっぱりわからない、ということが気になるよね。気になるから、話しやすいTさんに何度も同じことを言っちゃうんだよね。
でも、やっぱりTさんはそこが苦手だから、やめようね。
最後は二人で握手をして、笑顔で終業のお掃除タイムに入っていきました。