Tさんの優しさ
今日はとても涼しくて、といっても連日猛暑だったから、今日の暑さは過ごしやすいだけなのでしょう。
例年の5月にはない気温です。
今、一人の方をお迎えして、一緒に作業をしてもらっています。とても元気な女性で、歌を歌ったり、楽しいご自分の世界を一生懸命話してくれます。時々、感情が爆発して、大きな声で笑ったりしています。
事業所の利用者の皆様は、この方とのふれあいに驚いたり、微笑んだり、心配したりといろいろですが、そんな中でも、わたしはTさんのことが気になっていました。
Tさんは聴覚過敏で、様々な音や話し声が気になります。新しく来られた女性の話声や笑い声、歌などが気になるのではないか、と心配していました。そこで、Tさんに聞いてみました。
「新しく来た方の声や歌や、その他いろいろ気になりますか?」
Tさん「うーん、気になるけど、でも、あの人は大丈夫なんですか?」
「そうですね。彼女は彼女の世界が好きで、それを口に表したり音で表現したりしているので、大丈夫です。でも今うちに来られたのはいろいろ事情があって、いのちの木で皆さんと楽しくできるように、いのちの木が良いところだと思ってもらえるようになっていただきたいのです。」
Tさん「そうだね。彼女のような人をテレビなんかで見たことあるよ。彼女がいのちの木を気に入ってくれるといいな。みんなで仲良くできるといいね。僕は音とか歌とか平気だから、心配いらないよ。」
私は少し驚いたのと同時に、とても感動しました。以前も他の利用者の言動に怒ったり、不安を話したりしていたTさんですが、今回はとてもやさしくて思いやりにあふれたことを言ってくれたのです。わたしはTさんにとても大切なことを教えていただいた気持ちになりました。
これからもいろいろに来ていただいて、いろいろな方が育ててくださるいのちの木になるといいなぁ、と思いました。